仕組み
コーヒーメーカーの仕組みは、大きく分けて「ドリップ式」と「サイフォン式」の2つがあります。家庭用コーヒーメーカーは、ほとんどが「ドリップ式」です。「ドリップ式」の仕組みは簡単で、水とコーヒー粉をセットすると、自動的に美味しいコーヒーを淹れてくれます。電気湯沸しポットがお湯を沸かして、コーヒー粉にお湯を注ぎ、コーヒーの溜まる容器の下から、保温用のポットプレートで温める仕組みです。
「サイフォン式」の仕組みはちょっと複雑で、蒸気圧を利用してお湯を持ち上げ、蒸気圧を下げてコーヒーを下ろすような感じです。アルコールランプを利用するサイフォン式の発明は19世紀のヨーロッパと言われていますので、蒸気機関車の原理を応用したのかもしれませんね。
サーモポット
淹れたてのコーヒーは格別です。デバイスタイルのコーヒーメーカーでドリップしている最中から感じる、香ばしくて奥深い、数分の待ち時間のあとで飲む最高の一杯は、日常生活の疲れを忘れさせてくれます。しかし、ひとつだけ問題点がありますよね。きっと、家庭でも職場でも誰もが経験している、1杯目のあと、時間を置いて2杯目を飲もうとした時には煮詰まってしまい、香りも飛んで微妙な感じのコーヒーになっていることです。このような煮詰まりを防止するため、デバイスタイルの
HA-W90Sや
CA-12Sなどでは、保温用のヒーターを使わずに、サーモポットと呼ばれる保温ポットを採用しています。サーモポットの構造は、魔法瓶と同じと思っていただければ良いでしょう。魔法瓶だと煮詰まることもなく、熱々で淹れたてのコーヒーを二階やオフィスの中へ、あるいは
CA-3Sだとマグカップをそのまま車の中へ持っていけますから、便利です。
水出しのコーヒー
水出しの珈琲は、雑味や苦みの少ない、アイス向きのコーヒーが作れます。又、カフェイン、タンニンは水に溶けにくい性質があるので、お湯で抽出するよりも水出しの方がカフェイン、タンニンが少なく、お子様のコーヒー牛乳などに適しています。水出しコーヒーを淹れられるコーヒーメーカーもいくつかありますが、じっくり時間をかけて抽出するため、お湯でドリップするように、すぐに飲むことはできません。また、水出しコーヒーで利用するコーヒー粉は、なるべく均一の方が良いので、
デバイスタイルのコーヒーミルGA-1がおすすめです。
ドリップ式
ドリップ式のコーヒーメーカーは、自分の手で行っていたペーパー・ドリップを、誰もが手軽に簡単にできるようにしています。手動のペーパー・ドリップも、手順はコーヒーメーカーと一緒です。ただ、コーヒーメーカーでは少しでも美味しい珈琲が飲めるように、ペーパー・ドリップの注意点を守った淹れ方を再現できるようにしています。たとえば、抽出にあまり時間をかけないこと。4人〜5人分なら4〜5分が目安となりますが、あまり時間をかけすぎると「酸味」や「苦味」が強くなり、コーヒーの温度も下がってしまいます。また、コーヒー粉の中心から、均一にお湯を注ぐことも大切です。コーヒーメーカーでは、きちんとセットすれば均一にお湯が流れるようになっていますが、自分でお湯を注ぐ時には、「の」の字を描くように注ぎましょう。
焙煎について
多くは
こちらのような焙煎されたコーヒー豆をご用意いただくか、スターバックスのような専門店で好みのローストを指定して、焙煎してもらいますが、一部のコーヒーメーカーには、焙煎機能が付いているものもあります。一般的に豆の焙煎時間が短ければ酸味が強く、長いと苦みが強くなります。好みによって焙煎時間は変わりますが、用いるコーヒーの銘柄によっても、最適な焙煎度がかわりますので、最初はプロに任せたほうが良いかもしれません。焙煎度合いを表す言葉として、時間の短い順に、ライトロースト、シナモンロースト、ハイロースト、シティロースト、フルシティロースト、フレンチロースト、イタリアンローストとなっています。ただ、実際に使用される焙煎度合いは、フルシティローストやフレンチローストが多いです。
業務用と家庭用の違い
ドリップ式であれば、業務用と家庭用の違いは、一度に作れるコーヒーの最大量です。外見からでも大型化していることに気づくと思いますが、毎時100杯分を超えるドリップ能力も、業務用の特徴といえます。業務用のコーヒーメーカーとして有名なのは、ドリップ式なら「カリタ」や「メリタ」が代表的です。エスプレッソに対応した業務用ならデロンギが有名ですね。以前、業務用のエスプレッソコーヒーメーカーは、ボイラー内が高い圧力に耐える必要があるため、高価なイメージがありましたが、最近では家庭用でも、デバイスタイルのPD-1のような業務用に匹敵するマシンも販売されるようになりました。
全自動コーヒーメーカー
コーヒーメーカーには、コーヒーを淹れるのに必要な機能をすべて持つ全自動タイプがあります。全自動コーヒーメーカーには、豆を挽くミル機能から、抽出までをボタンひとつ(複数の場合もあります)で行えるほか、焙煎器まで付いたタイプもあります。全自動コーヒーメーカーは、オフィスや食堂・ホテルなど、本格的なコーヒーが望まれるさまざまな場所で利用されています。ある程度のコーヒー消費量があるなら、豆の状態で保存できるうえ、補給も簡単な全自動コーヒーメーカーが便利かも知れませんが、家庭で使うには高機能すぎるでしょう。
サイフォン式のコーヒーメーカー
少し年老いたマスターの入れるコーヒーと言えば、サイフォン式コーヒーメーカーのイメージですね。サイフォン式は、蒸気圧の差によりお湯を持ち上げ、気圧の差を利用して吸引します。サイフォン式が発明されたのは19世紀のヨーロッパで、日本には大正時代になって入ってきました。昔懐かしい昭和を再現したドラマでもサイフォン式のコーヒーメーカーが利用されていますね。なんとなくレトロな感じがするのは、ドラマの影響か、子どもの頃に見た、美味しそうにコーヒーを飲む姿が目に焼きついているためでしょう。手動によるペーハードリップを行っていた頃は、サイフォン式の方が、味を再現しやすいと言われていましたが、高度なドリップ式コーヒーメーカーが販売されている現在では、再現性に関しては同一と言えるでしょう。しかし、サイフォン式の方がコーヒーの香りが強く出ると言われていますので、味の好みは分かれるかもしれませんね。